スポーツニッポン連載中うかみ綾乃(作)/星恵美子(イラスト)「秘密の小部屋」も残す所後数日になりました。3月4月とあっという間の連載でしたがお楽しみいただけたでしょうか?見逃してしまった方に「星恵美子スポニチ連載3月イラストギャラリー」でお楽しみくださいね。
団鬼六賞を受賞した作家うかみ綾乃さんの「秘密の小部屋」古いアパート「森ハウス」の中で、大家兼住み込み管理人の裕哉と、 ふとしたことで転がり込んできた家出中の人妻、アパートを巡るワケありの男女が蠢く物語荒地に舞い降りた鶴の如く場違いな中で際立つ美しい人妻「安里」、潤みがかった瞳しどけない仕草惑わされる予感が
第一章「幼馴染みのセフレ」④
「ハぁぅンッ…」
梨花が汗の光る首筋を仰け反らせた。
ふだんは上品に結いあげている黒髪が、シーツに広がって波打っている。
整った眉は苦痛にも似た形で歪み、眉間に皺を寄らせている。
唇はわななきながら開いて、涎の糸さえ伸ばしていた。
いつもながらの急な呼び出しだった。
第一章「幼馴染みのセフレ」⑤
「まだ、やめちゃ、ダメ…」
絶頂を迎えた梨花が、突きあげた腰を裕哉の股間に擦りつけてくる。
乳首を咥えながらなので、「へえ」と、また丁稚小僧のような返事となり、裕哉は舌を動かし続けた。
そうだった。梨花によると、女の絶頂は余韻も含めてのものであり、ここでこちらが行為をストップすると、せっかくの快感が台無しになるのだという。
最初の頃はうっかり忘れて、イカせた達成感ででホッとひと息ついてしまうと、梨花は一瞬にして『えぇぇ?』と、余韻から醒め、『だからあなたは詰めが甘いのよ、こここそがいちばんダイジなところなのに!』と、学生時代に一緒に試験勉強をしていた頃のように、厳しうお説教してくるのだ。