ツクヨミとアマテラス

ツクヨミは古事記の神話の世界では
ツクヨミノコトと呼ばれ月を神格化した夜を統べる神であると言われています。
素敵ですね月の神です。

夜を治める神

神月夜見命(ツクヨミノミコト)

古事記ではツクヨミノミコトは伊邪那岐命(イザナギノミコト)が黄泉国から逃げ帰って禊ぎをした時に右目から生まれました。

もう片方の目から生まれた天照大御神(アマテラスオオミカミ)、鼻から生まれた須佐之男命(スサノウノミコト)とともに重大な三神(三柱の貴子)が生まれます。

この三柱の神が生まれた時伊邪那岐命(イザナギノミコト)は心から喜びこう叫んだ。

「吾は子を生らし生らして生らす終に三柱の貴き子を得つ」
(私は子供を次々と生んできたがその最後に三人の世にも尊い子供たちを得たことはなんと嬉しいことだろう)

この三貴子は3つの氏族を意味します。
天照大御神は高天原を、神月夜見命は夜の食国を、須佐之男命は海原を
治める役目を授けたのです。

アマテラスが太陽の神官、
ツクヨミが月の神官、
スサノウが海の神官を表しています。

またツクヨミは一人ではありません一族と考えられます。
これら三人の神が合体したのが神月夜見命(ツクヨミノミコト)です。

月弓命 三日月(みかづき)=三日月は弓を意味する軍事力の神=軍事の神
月読命 新月(しんげつ)=月の満ち欠けから暦を読む知の神=暦の神
月夜見命 満月(まんげつ)=全ての夜の世界を統べる=夜を治める神

他にも多くの神がいます。月の満ち欠けを思い浮かべると
新月、三日月、満月、
上玄の月(上弦の月)、下弦の月(かげんのつき)、十六夜月(いざよいづき)
立待月(たちまちづき)、寝待月(ねまちづき)、

月の満ち欠けの数だけツキヨミがいるのです。
月一族といっても良いかもしれませんね。
一つ一つの氏族が別れ広がっていくのです。
まるで夜空に散らばる星のようですね。

「日の光に次ぐ輝きを放つ月の神を生み、天に送って日とならんで支配すべき存在」
のはずのツクヨミですがなぜあまり表舞台に出てこないのか、そこには秘密があるのです。

ツクヨミ

月夜見命は人を殺めてしまったため日本を去ることになるのです。
一族で移動したと考えられ中国大陸を渡りモンゴル高原で月氏国を作り
またその子孫がインドに渡り大月支氏国を作り
クシャナー朝に関わっているのです。

壮大な宇宙の話に繋がるのですね。

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【妖精研究室】 妖精の絵を見たり、描いたり、探したり。 神話や伝説に語られる妖精は、人間と神の中間の摩訶不思議なものらしい。日本にも伝わる妖怪、龍、人魚、天狗も純粋な子供の心で見ると見えるかも知れない。案外すぐ側に。